発達障害のこと

2021年10月7日

発達障害についてはたびたびマスコミで取り上げられ、各種の書籍が出ているのでいまさら説明する必要もないと思います。

私が発達障害の子達と初めて会ったのは関東医療少年院の中でした。

アスペルガー障害の中学生でした。こだわりが強く、能力的には非常に高い子でしたが、面接していて非常に疲れた覚えがあります。

少年院の教官から鑑別所でアスペルガー障害と鑑定されても少年院の医師が否定することが多いのですが、あの子は間違いなくアスペルガー障害ですと太鼓判を押された子でした。

お父さんが変わった人でその子を徹底的に否定するのでその子は父を嫌っていました。私は何とか親子を和解させようと彼を説得したのですが、理解してもらえなかった。私自身も未熟でそんな大それたことをしたのです。

その後、2ヶ所の医療少年院を担当し、バスジャック事件の少年とも面接しました。彼はアスペルガー障害ではなかったのですが、親子関係がいびつな関係でゲームに凝っていました。少年院に入院した当初は王様のような態度で少年院内で孤立していましたが、少年院教官の熱心な指導により人間の情が分かる人へと変わっていきました。

神戸の連続児童殺傷事件のA少年も私が法務省にいた頃に担当し、記録を全て見ましたが、親子関係にやはり問題があったこと、彼の自宅が白い無機質の家で異様な感じがした覚えがあります。このA少年もゲームに凝っていたのです。

この2人が凝っていたゲームは同じゲームでゾンビが出てくる超有名なゲームです。

A少年は発達障害ではありません。当時は行為障害という診断がつけられていたようですが、今は使われることは少ないです。行為障害よりは性的な問題の方が大きい少年でした。

当時ほかの地域で起こった発達障害を抱えた少年がセンセーショナルな事件を起こしたことがあり、全ての発達障害者が危険だというふうに誤解されたことがありました。

今は発達障害に対する理解が進み、誤解されることは少なくなりましたが、まだ一般の方の発達障害者に対する視線は厳しいようです。

電車で自閉症の青年が大声をあげるのをうるさそうに見る無理解な大人が多いように思います。

発達障害が際だつ個性としてとらえられ、生きやすい世の中になってほしいと思います。