依存症
依存症とは
依存症には薬物依存症、アルコール依存症、ゲーム依存症、ギャンブル依存症、性依存症など様々な依存症がある。
刑務所では薬物依存症、ギャンブル依存症、アルコール依存症が多い。私が面接するのは大抵、覚醒剤依存症だ。覚醒剤を入手してはすぐに使ってしまい、職務質問にあって逮捕というケースが多い。彼らは受刑したときはやめたいと思っているが、出所したときに虫が湧いて(彼らの表現)覚醒剤の密売場所、通常大阪市内のある地域であるが、そこに行ってたちん坊から入手して使ってしまうのだ。夫婦で使用するケースもある。夫がやめようと思っていても、妻が使ってしまって、夫のほうも引っ張られて使ってしまうといったパターンである。
彼らは覚醒剤のどこに惹かれて使用しているのか。一番多いのは嫌なことを忘れること。セックスに使うケースもあるが、どちらかといえば現実のつらさから逃避するケースが多いように思う。
少年の場合は覚醒剤使用はそれほど多くはない。金額も高いし、入手できないのが多いのだろうが。大麻のほうが手に入りやすいので、大麻に進んでしまうほうが多い。
このような薬物依存症のケースの場合は、薬物治療専門病院に行って治療するケース、ダルクやNAなどの自助グループに参加するケース、自分の意志だけと主張し、どこにも頼らないケースがある。
薬物から抜け出るためには、薬物に走らない環境作りも大切だが、一番はやはり家族の支えだと思う。家族の薬物に対する理解があり、薬物からの抜け出るのを助けてくれる、そういう人達が周りにいることが大切だ。
ギャンブル依存は、ギャンブルの金欲しさに窃盗に走るなどがある。ギャンブルで一度いい思いをして、それがギャンブルを繰り返すきっかけになっている。競馬や競艇、競輪などよりパチンコ狂が多いように思う。
私はあんな騒音の中でひたすらパチンコの玉を打つなんてことはできないが、それに浸ると快感になるのだろう。ギャンブル依存の自助グループなどに参加して止めていく努力をしていくか依存症治療専門病院で行動理論に基づいた治療を受けることが効果的である。
今、流行のゲーム依存もパチンコ依存と同じような原理だから行動理論に基づいた制御法が効果的だと思うが、年齢が低年齢化しているため、やっかいだ。親子関係に亀裂が入り、親は注意するが、子どもは全く言うことを聞かず、ゲームに夢中になる。親はゲームを取り上げてしまうが、親が隠したゲームを引っ張りだしてきてやるとか、友人から借りてきてやるということが起きているようだ。
コロナ禍でゲームにしか遊ぶものがないという現在の子どもの状況もかわいそうである。