ミルトン・H・エリクソンの催眠療法
ミルトン・H・エリクソンが重症の歯科恐怖症の女性を治療したことがあった。彼女は自動車事故に巻き込まれて顎を損傷してしまい、歯科医の治療が必要になったのだ。女性は以前、歯科治療中に治療椅子のヘッドを壊してしまったことがあった。また女性は麻酔に過敏なため、治療に麻酔を使うことができなった。
というわけで、エリクソンに白羽の矢が立って、エリクソンのもとに女性がやってきた。
エリクソンは女性の腕を浮揚させ、トランスに導いた。女性に対し、「痛みの代わりに圧力を感じること。すべての痛みは女性の足指と通ってでていくこと。」を話した。女性は麻酔を使わずに歯科の手術を受けた。痛みは一切感じなかった。出血も最小だった。治療後、3日間で炎症も腫れもなく完治してしまった。
エリクソンはその女性から禁煙の援助をしてほしいと言われ、1回治療したが、禁煙させることができなかった。
あの天才エリクソンでもだめなときはだめなのである。(アンコモンケースブックから)
