薬物依存症からの回復

奈良県警察本部の令和2年の薬物事犯統計によると、薬物事犯の検挙件数は200件台を推移している状況です。

薬 物 事 犯 の 約 7 割 が 覚 醒 剤 事 犯で 最 も 多 く 、 次 い で 大 麻 事 犯 とな っ て い ま す 。
覚 醒 剤 事 犯 の 約 8 割 が 再 犯 者 であ り 、 大 麻 事 犯 は 約 6 割 が 初 犯者 で す 。
覚 醒 剤 事 犯 は 40歳 代 が 最 も 多 く、30歳 代 と 40歳 代 で 全 体 の 約6 割 を 占 め て い ま す 。
大 麻 事 犯 は 20歳 代 が 最 も 多 く 、30歳 未 満 が 約 7 割 を 占 め て い ます 。

この統計から見えてくるものは、覚醒剤は中年の再犯者が多いということ。逆に大麻は20代の若者の使用が多く、その中には10代の使用も見られます。

つまり働きざかりの40代の覚醒剤の常習者は再使用のおそれが強く、受刑を繰り返しているケースが多いのではないかということです。

大麻使用者は初犯でインターネット等で入手し、遊び半分に使用に至り、検挙されているということです。

大麻は多幸感を味わえるということで入手するケースが多いと思われます。

大麻は奈良県内では奈良市、橿原市などで検挙件数が多いです。やはり繁華街等で入手する機会が多いのかもしれません。(西和署の生活安全課からの情報です。)

覚醒剤はアッパー系ドラッグともいわれ、ド―パミンなどの神経伝達物質の放出を促します。それが報酬系と言われる脳の中の神経回路に影響を与え、快感を生み、薬物が欲しくて仕方がない状態になるのです。大麻はダウナー系ドラッグと呼ばれ、ドーパミンを作る神経細胞の働きを抑制しているロック細胞の働きを弱める効果があり、ドーパミンの放出を促すことになります。

薬物を摂取すれば、もう自分の意志とは無関係に薬物の甘い誘惑に負けてしまうのです。

これらの薬物の誘惑から離脱する方法はあるのでしょうか。

まず、薬物の入手できる近くには行かないということ。

薬物を連想するモノは傍に置かないこと(例えば水のペットボトルを見ただけで覚醒剤注射を連想することがあります)。

薬物依存症は病気ですから専門病院の治療を受けること。どこの精神科や心療内科でも治療してくれるわけではありません。薬物依存症を治療してくれる病院は限定されます。

覚醒剤や大麻を使用すると犯罪行為になり、処罰を受けることをしっかり本人に納得させます。

地域の精神保健福祉センターで薬物教室などが開催されているところがあるため、問いあわせてみてください。県によっては薬務課で行っているところがあります。

Erick’s Counseling Roomでも薬物依存症の方のカウンセリングを行っています。認知行動療法に基づいたプログラムを活用しています。動機づけ面接法に基づく面接を行い、薬物依存症からの回復を目指します。