依存症の人を病院に向かわせる方法

依存症の方は自分が病院に行かないといけないほどひどい状態だとは思っていません。
酒やギャンブルをやめようと思えばやめられるんだと変に自分を信じているのです。
そのような人に説得は効果がありません。
脳が支配されていますから理解させようとしても無駄なのです。
ではどうすればよいか。
まずは彼らの飲みたいという気持ちを聴いてあげることです。
どれだけ飲みたいのか。飲んでどんな気持ちになるのか。好きな酒を飲んだ時の気分
などなどをとことん徹底的に聴いてあげるのです。
もういいわというくらい話を聴くと飲んだらまずいという反対の気持ちが浮かんできます。
「いや、飲んだらまずいんだよね。わかっているけどやめられないんだ。」
そのつらさを徹底して聴いてあげます。
彼らの気持ちはシーソーのように揺れ動きます。
そこに付け入るのです。
変わってみないかと誘いをかけるのです。
悪魔の声でささやくのです。
その声は彼らの頭に響く声となります
。
「今と少し違う生活をしませんか。」
「うん、それは楽しいかい」
「そうですね。」
「今より楽な生き方になります」
「今より楽なんですね。本当ですか。」
彼らはその言葉に飛びつきます。
「楽になるのだったら変わりたいよ」
「今の生活は苦しいよ」
彼らがそういうとほっと一息ついたような表情をします。
こちらからそう言うように強制したわけではありません。
彼らから自然に出てきた言葉です。
「今の生活は苦しい」
「じゃ、脱出する方法はないかな」
「それを一緒に考えましょう」と持ち掛けます。
今の生活から抜け出す方法
酒を一切やめる
病院に行く
そんなところが出てくればしめたものです。
「酒を一切やめる」という言葉は信用できませんが、その言葉を言わないといけないくらい追い詰められていることは理解してあげましょう。
「病院に行く」
という言葉が出てくれば、それを受け入れて、
「じゃあ、いつ行こうか」
と畳みかけて問う。
「うん、明日行くよ」
その言葉を信じる。
「病院へは一人で行く、それともついて行こうか」
と質問し、
「ちょっとついてきてくれる?」
と言えば
「わかった。一緒に行くよ」
と支えてあげる。
病院へ行く当日、緊張している様子がうかがえたら、
「大丈夫だよ。私もついているよ」
と言ってあげる。
病院に到着し、主治医の診察。
「アルコール依存症だね。入院する?」
という主治医の質問に
夫の手を握り「入院して頑張ろ」と答えて
その日に入院になった。
夫は3か月間入院し、青白い顔だったのが血色のよい顔になって帰ってきた。
しかし、これからが勝負だ。
夫を支えて、アルコール依存症との闘いの日が続くのだ。
夫婦2人だけではやはりツライ。
サポートしてくれる人が必要だ。
他の家族、親戚など
自助グループ
カウンセラー
そばに寄り添ってくれる人がいれば、アルコール依存症から回復できる可能性があります。
あなたの身近に依存症の人がいればまず病院に繋げてください。
家族の支えによって彼らは初めて目が覚めると思います。